強い安定剤・弱い安定剤とは
旭川市東光の心療内科
あおぞらクリニックの菊地です。
向精神薬の使用量が飛び抜けて少ない心療内科です。
患者さんから薬が強いか弱いかをよく聞かれます。
抗うつ薬については、強い弱いの正確な評価はかなり難しいのですが、
精神安定剤(抗不安薬)については、参考になるデータが出揃っていて、割と正確に強いか弱いかを伝えることが可能だと思います。
力価の違い
安定剤のパワーの違いが3段階に整理・分類されています。
有名なデパス®は高力価。パワーの強い薬です。
リーゼ®は低力価。
この評価軸では、単純に高力価が強くて、中力価、低力価となるに従って弱いと言えます。
作用時間の長さの違い
もうひとつの評価軸は作用時間の長さです。
これもデータが揃っていますが、みなさんは作用時間が短い方が強いと感じますか?
それとも、作用時間が長い方が強いと感じますか?
異論もあるかと思いますが、この評価軸にはふたつの見方ができると思います。
短期作用型ほど切れ味が鋭いです。
血中濃度が短時間で上昇しますので、副作用が出る可能性がある濃度(副作用域)になってしまう場合、短い時間でそこにたどり着いてしまいます。
もちろん作用を発揮する濃度に達するのも短時間です。
そういう意味で短期作用型を強いと考える視点もあります。
しかし、長期作用型はずっと長く効きますから、副作用域に達してしまうと、なかなかそこから自然には脱することができません。
作用を発揮するまでは時間がかかりますが、ひとたびその濃度に達すると、だらだらといつまでも効いてしまいます。
例えば、長期作用型を服用して副作用として眠気が出た場合、長時間眠たい状態が続いて寝続けたり、一日中ぼんやりしてしまったりといったことが起こりやすい薬です。
このようなことから、長期作用型を強いと考える視点もあるでしょう。
有名なデパス®は短期作用型で、
メイラックス®は超長期作用型です。
この評価軸には4段階の分類があります。
短い順に、短期作用型、中期作用型、長期作用型、超長期作用型のよっつです。
ふたつの評価軸によるみっつの視点
抗不安薬の強い弱いは、ふたつの評価軸に基づいたみっつの視点で私は考えています。
最も強い抗不安薬は、
短期作用型で高力価のデパス®と判断することも可能ですし、
超長期作用型で高力価のメイラックス®と判断することもできます。
最も弱い高不安薬は、
短期作用型で低力価のリーゼ®か、
長期作用型で低力価のセレナール®でしょうね。
個人的には、リーゼ®の方が短い時間で消えてくれるので、扱いやすいです。
デパス®は切れ味鋭く効き目も強い(強すぎる)、扱いにくい薬です。
私はデパス®を「別格安定剤」と呼んで、心の中の禁止薬剤に指定しています。
今回の話題とは違うのですが、
デパス®は依存の生じやすさも別格です。
メイラックス®はなかなか薬が抜けないので、問題が起きたときには厄介です。
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