2023.10.01
カテゴリ：睡眠薬
睡眠薬としてのデパス®︎の強さ
旭川市東光の心療内科
あおぞらクリニックの菊地です。
向精神薬の使用量が飛び抜けて少ない心療内科医です。
今日のお題は、
睡眠薬としてのデパス®︎（一般名エチゾラム）の強さ
です。
睡眠薬としてのデパス®︎についてですね。
デパス®︎は当初精神安定剤（抗不安薬）としてリリースされ、後になって睡眠薬としての適応が加わりました。
安定剤の中では別格と言っていいほど強いデパス®︎ですが、
睡眠薬としては別格とまではいかない働きです。
安定剤としては最も切れ味鋭いデパス®︎ですが、
睡眠薬と並ぶと、個性が埋もれてしまいます。
睡眠薬の中には、デパス®︎よりも切れ味の鋭いものが、複数あります。
ですから、効果の実感としては、他の睡眠薬に引けを取る感があります。
さらに肝心の眠気についても、他の睡眠薬よりダントツで強いとも言えません。
デパスよりも眠気が強く出るものが他にもあります。
睡眠薬としてのデパス®︎は、正直飛び抜けて凄い部分はありません。
それでいて、他の睡眠薬に比べて、極めて依存を生じ易く、離脱症状に悩む場合も多いです。
つまり、結論は申し上げるまでもなく、デパス®︎は睡眠薬としては使わない方がいい。
なんで睡眠薬として認可されたのか、よく分からない。
私はデパス®︎を自分からは処方しない。安定剤としても処方しない。
こんなところです。
他の睡眠薬で通常充分眠れるようになるので、デメリットが大きいデパス®︎を使う意味が理解できません。
補足
睡眠薬の強さのランキングは不可能です。
作用機序が違う薬がたくさんあって、比較ができません。
ざっくり言って、人によって合う合わないがあります。
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