【決定版】デパス®︎の依存性が高い理由

旭川市東光の心療内科

あおぞらクリニックの菊地です。

向精神薬の使用量が飛び抜けて少ない心療内科医です。

デパス®︎(一般名エチゾラム)はなぜ、こんなにも依存性が高いことで槍玉に挙げられるのでしょうか?

ひとことで言えば、

どんづまりだからです。

どんづまり。

以下解説します。

デパス®︎は、切れ味鋭く、パワーも強いので他の精神安定剤(抗不安薬)からの乗り換えが多い薬剤です。

そして、

デパス®︎よりも切れ味鋭い安定剤はありませんので、切れ味という視点では、乗り換えるお薬は見当たりません。

また、

デパス®︎よりもパワーのある安定剤もありませんので、効き目という観点からも、乗り換えるべきお薬はありません。

つまりどんづまり。

あるいは崖っぷち。

実際に、国内での安定剤の流通量は、デパス®︎(エチゾラムも含めて)がダントツで首位という状況。

この地位はデパス®︎よりも切れ味が鋭いか、強いか、鋭くてなおかつ強い薬が登場しない限り揺るぎないだろうということは、小学生でも理解できるでしょう。

でも、これではデパス®︎が依存性を生じやすい理由の説明としては、ピンと来ないかもしれないので、こまかく説明します。

理由その①

デパス®︎で効果不十分になってしまうと崖っぷち。後がありません。

しかし、医者もバカではないので、考えます。

規制のギリギリ最大量極限(これを極量といいます)まで増やそう、と。

結果として、

デパス®︎の使用量が増えて依存性を生じやすくなるのです。

これが理由のひとつ目です。

理由その②

デパス®︎で効果不十分になってしまうと崖っぷち。後がありません。

しかし、医者もバカではないので、考えます。

他の安定剤も併用しよう、と。

結果として、デパス®︎も含めた安定剤(特にベンゾジアゼピン系が問題ですが)の総量が増えて依存性を生じ易くしてしまいます。

これが理由のふたつ目ですが、

もちろんこの状態はデパス®︎の依存なのか他の安定剤の依存なのか、判然としませんね。

しかし、こういう多剤大量療法の後始末をかつて私はたくさん経験しているので、言い切っちゃいますが、

デパス®︎が群を抜いて酷くて悪い。大体デパス®︎が最後までやめられなくて苦労するので、多剤で依存を生じていたら、ほぼ間違いなくデパス®︎のせい。

デパス®︎が主犯と言ったら分かりやすいでしょうか。

理由その③

あと少しなので辛抱してください。

デパス®︎で効果不十分になってしまうと崖っぷち。後がありません。

患者さんも奥の手を繰り出します。

オーバードーズ(OD)です。

慢性的にオーバードーズするようになると、そのぶん依存を生じ易くなっていきます。

これがデパス®︎があちこちで依存する人を増やして槍玉に挙げられる理由の、みっつ目です。

いかがでしたでしょうか。

デパス®︎の依存にはカラクリがありました。

最大のポイントは、現状最強で乗り換えが効かない点。

ちなみに、

デパス®︎よりも強いベンゾジアゼピン類を開発してみても何の解決にもなりません。その新たな薬剤がデパス®︎に取って代わるだけです。

製薬会社としては、喉から手が出るほど、デパス®︎より強い薬をリリースしたいでしょうね。

規制が年々強化されていますが、以上のような必然性があってデパス®︎はドル箱。

多分これ以上の強いヤツは、なかなか認可されないでしょうね。危険すぎるから。

同等以上に切れ味鋭くパワーがあって、依存性のない夢のような安定剤の登場まで、この状況が続くのでしょう。

あおぞらクリニック

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