リーゼ®を睡眠薬代わりに

結論から先に言うと、

リーゼ®を睡眠薬代わりに使うのはお勧めしません。

旭川市東光の心療内科

あおぞらクリニックの菊地です。

向精神薬の使用量が飛び抜けて少ない心療内科医です。

精神安定剤リーゼ®(一般名クロチアゼパム)を寝る前に服用するような処方には度々遭遇します。

添付文書などを参照すると、リーゼ®を寝る前に使う場合について書かれていますが、その内容には甚だ首を傾げざるを得ません。

1)心身症(消化器疾患・循環器疾患)における〈中略〉睡眠障害の場合は、クロチアゼパムとして1日15~30mgを分3で経口服用する。

2)麻酔前投薬の場合は、就寝前または手術前にクロチアゼパムとして10~15mgを経口服用する。

睡眠障害に使う場合、心身症における睡眠障害と限定されています。

そして、その用法が1日3回と、理解に苦しみます。ここは、寝る前の間違いではないでしょうか?

次に麻酔前投薬として使う場合ですが、ここに就寝前と書かれているのも、明らかにおかしいと思います。

麻酔前投薬というのは、麻酔をかける前に飲む薬のことです。だから、用法は手術前に決まっているのですが、なぜか就寝前または手術前と書かれています。

本当は下記のように書きたかったのではないかと思います。

1)心身症(消化器疾患・循環器疾患)における睡眠障害の場合は、就寝前にクロチアゼパムとして〇〇mgを経口服用する。

2)麻酔前投薬の場合は、手術前にクロチアゼパムとして10~15mgを経口服用する。

多分。

それでも、寝る前にリーゼ®を使うのは心身症で眠れない時だけに限定なのです。

心身症とはまた、古典的な病名が出てきましたが、認可を受けた時代の病名がそのまま残っているのでこんなことになっています。

間違えていると思われる部分を好意的に読み解いてみても、添付文書等にはどこにもリーゼ®を睡眠薬代わりにしていいとは書いていません。

あくまでも心身症の方限定なのです。

しかし、現実には別に心身症でなくても、眠れない人にリーゼ®が寝る前で処方されているのをたくさん目にします。

個人的には、普通の睡眠薬に比べてさほど効果が強いとも思えませんし、依存は睡眠薬よりも生じやすいので、睡眠薬代わりに使うのはオススメしません。

あとは心身症のことを、一般向けには解説しないとならないかもですね。

それから、リーゼ®と同じ短期作用型の安定剤デパス®だけがなんと、別格扱いで睡眠薬として堂々と認可されていることについては、近日中に記事にしますね。

なになに?

デパス®が睡眠薬ならデパス®よりも断然安全なリーゼ®も睡眠薬でいいじゃないかって?

ではこの続きは後日。

(2024.01.14.追記)
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