療養担当規則とは

保険診療をするにあたって保険医が守らなければならないルールを、保険医療養担当規則(以下療担規則と略)といいます。

療養担当者=保険医という訳です。

保険診療を行うためには医者がいろいろと守らなければならないことがあるのですが、

そのひとつに、

判断(診断等)に基づいて医療を現物支給するというのがありまして。

心療内科に割とよく現れる、

「この薬ください」という患者さんの、言い分や状態がもっともだったらいいのですが、

もっと合うものがあるぞとか、それでは逆効果でしょうとか、

そんなのありえないというような場合には、

いいなりになって処方してはならないというのが、療担規則が強く訴えていることのひとつなのです。

では、

自費だったらどうなのかという疑問が湧くわけです。

自由診療ならば、療担規則に従う必要がないのですから、緩和されるに違いないと思うわけです。

ただ、このアイディアには問題がないわけではありません。

最大の問題は、保険診療と自費診療を同じ疾患に対して行ってはいけないというルールが、別にありまして(混合診療の禁止ー例外あり)、

それでいくと、

例えば不眠症で睡眠薬を処方されていた患者さんが、

「デパス®をください」とか言い出す訳ですが。

あ、この例だと、私の場合長くなるので、やめます。忘れてください。

不眠症で睡眠薬を…。

「リーゼ®をください」とか言い出すんですけれど、リーゼ®は薬剤の添付文書によると心身症における睡眠障害だけに限定されているので、保険診療上は査定される可能性もあるし、

それ以前に、この患者さんに合っているとは思えないとしますね。

別な睡眠薬、心身症ではない方にも使える睡眠薬を使うのが妥当だと判断しますよ。きっと。

そうすると、保険医としてリーゼ®を処方するのは療担規則に照らしてアウトなので、

自費ならどうかってことを考え出すわけです。

実際患者さんには、ちょっと待ってくださいねと申し上げて、その都度考えたりします。

本当は積極的には考えたくないのですが、仕方がないです。

それで、

まあアリかなと思いましても、

これをやると、

過去にさかのぼって不眠症について行った診療、全部自費にしなければならないのです。

1年くらい不眠症で通っていたら、それ全部自費に切り替えて、差額分を徴収して、

そのうえで今回の診察も処方も、10割負担になりますって、ムリだ。

それと、

自費だったらなんでも出せるかといえば、そんなこともありません。

命に関わるようなおかしな処方は、療担規則に違反していなくても、医者が責任を問われますので、できませんね。

患者が念書を書く?

それでも医者は責任の一端を担うことになるでしょうし、

医の道を踏み外しているんじゃないでしょうか?

命に関わらなくても、

「デパス®ください」と言われたら、

私は過去にこのデパス®のせいで患者さんたちと一緒にひどく苦労した経験がありますので、

自費でも出しません。悪しからず。

あおぞらクリニック

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