なぜ同じことを何度も考えてしまうのか ― 反芻思考という心の癖
旭川市東光の心療内科(メンタルクリニック)
あおぞらクリニックの菊地です。
向精神薬の使用量が飛び抜けて少ない心療内科医です。
軽い足取りで先に進もう。
夜、
布団に入ってから、
ふとしたきっかけで
同じ出来事や言葉が、
何度も頭の中に浮かんでくる。
「あの時、ああ言えばよかった」
「なぜ自分はあんな対応をしたのだろう」
「また同じ失敗をするのではないか」
考えても答えが出ないと分かっているのに、
気づけば同じ思考を繰り返してしまい、
眠れなくなる。
こうした経験をお持ちの方は、
決して少なくありません。
多くの方はこれを、
「自分は考えすぎる性格だ」
「心が弱いから仕方がない」
と思いがちです。
しかし、
実際にはこれは性格の問題ではありません。
反芻思考とは何か
同じ考えが何度も繰り返され、
しかも考えれば考えるほど気分が重くなる。
このような思考の状態を、
心理学では
「反芻(はんすう)思考」と呼びます。
反芻思考の特徴は、
- 新しい情報が増えていない
- 問題解決に向かっていない
- にもかかわらず、思考だけが止まらない
という点にあります。
「考えている」というより、
考えが自動的に再生されている状態に近いかもしれません。
なぜ反芻思考は起こるのか
意外だと思うかもしれませんが、
反芻思考は
- 真面目な人
- 責任感の強い人
- 他人の気持ちを大切にする人
に起こりやすい傾向があります。
つまり、
だらしないから起きるわけでも、
弱いから起きるわけでもありません。
むしろ
「ちゃんとしよう」「失敗したくない」
という思いが強い人ほど、
起こりやすいのです。
脳の働きという観点で見ると、
- 強いストレス
- 慢性的な疲労
- 睡眠不足
が重なることで、
「考えを止めるブレーキ」がうまく働かなくなり、
同じ思考が何度も繰り返されやすくなります。
多くの人がやってしまう逆効果な対処
反芻思考が始まると、
多くの人は
- もっと深く考えようとする
- 正解を出そうとする
- 気合で止めようとする
といった対応を取ります。
しかし反芻思考には、
「考えるほど強くなる」という性質があります。
「ちゃんと考えて整理しよう」という真面目さが、
かえって思考のループを強化してしまうでしょう。
反芻思考は「心の異常」ではない
反芻思考が続くと、
「このままおかしくなってしまうのでは」
と不安になる方もいます。
しかし反芻思考は、
- 一生治らない癖
- 性格そのもの
- 心が壊れているサイン
ではありません。
それはむしろ、
心や脳が疲れていることを知らせるサインです。
仕組みを理解し、
思考との「正しい距離の取り方」を身につけることで、
反芻思考は確実に軽くなっていきます。
最後に
診察室でお話を伺っていると、
「自分が弱いからこうなったと思っていました」
と涙ぐまれる方に、
しばしば出会います。
ですが、
反芻思考に悩む方の多くは、
これまで一生懸命に生きてきた方です。
もしこの記事を読んで、
「自分にも当てはまるかもしれない」
と感じたなら、
それはすでに大切な一歩です。
まずは、
自分を責める必要はないということだけ、
心に留めておいてください。
【おしらせ】
当ブログへのコメントは、管理者が投稿に気づいて公開の処理をすると表示されます。返信することをお約束はできません。
お寄せいただきましたコメントは、責任者である菊地一也自身が他のコンテンツも含めて2次利用させていただくことがあります。予めご了承ください。
公開しないでくださいと書いて送られてくるコメントがありますが、原則公開させていただきます。
元記事と関連性が薄いコメントについては申し訳ございませんが返信なしに削除させていただきます。
眠れなくてお困りの方は当院の不眠症治療のページもご覧ください
・不眠症の治し方|旭川市の心療内科あおぞらクリニックの治療方針
あおぞらクリニック
東光9条5丁目バス停(あさでん)目の前
東光眼科となり
駐車場完備
【東神楽・東川・美瑛・深川からのアクセス良好】
電話
0166-33-8600 (平日9:30~12:30)
おくすり以外の記事もあるのに…