2023.06.06
カテゴリ：不眠症
睡眠薬で夢遊症状
旭川市東光の心療内科
あおぞらクリニックの菊地です。
眠っている間に歩きまわったり、
なんらかの行動をする症状。
本人には記憶がない場合も多いけれど、
うっすら覚えている部分があったりするケースも。
これは夢遊症状。
アルプスの少女ハイジで、ハイジが一時この状態でした。
いくつかの睡眠薬で夢遊症状が副作用として記載されていますが、
特にマイスリー（ゾルピデム酒石酸塩）に多い印象があります。
しかも、ゾルピデムの場合、食べ物に絡むエピソードが多いのが特徴的で、ひとつひとつの例が強く印象に残ります。
空の炊飯器の蓋を明けて立ち尽くしていた方。
朝目が覚めたら、パジャマの胸のあたりが麺つゆでびしょ濡れだった方。
夜な夜ななにか食べようとするが、そのことを同居人から指摘されたら、同居人の方に妄想があるのだと言って聞かず、なかなか理解してもらえなかった方。
一番危ないと感じたのは、うっすら記憶があるが、
夜中近くのコンビニに行ったようだと仰った方。
この方は、食べ物を買おうとしていた気がするけれど、
上手く買えなくて、戻ってきたようだとのこと。
自宅とコンビニの間で、事故などに遭わずになによりと胸をなでおろしました。
このようにしてみると、独居で睡眠薬を服用するのは、それなりにリスクがあるように感じます。
あるいは、独居の方には、特に副作用欄に夢遊症状の記載がない薬を厳選してお渡しするか、でしょうか。
副作用に夢遊症状の記載がない睡眠薬（先発品名）
・ルネスタ
・ドルミカム
・レンドルミン
・リスミー
・サイレース
・ユーロジン
・ネルボン／ベンザリン
・ドラール
・ダルメート
・ソメリン
・ロゼレム
・メラトベル
・ベルソムラ
・デエビゴ
調べてみると、超短期作用型以外の睡眠薬には夢遊症状の記載がはっきりされてはいないように思います。
どうか皆様、お大事にしてください。
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