不眠症治療の深くて濃い情報

この記事では、穀物を摂らないようにとは言っていませんし、糖質を摂らないようにとも言っていません。誤解のないよう、くれぐれもよろしくお願いします。

不眠症には自律神経の治療も

自律神経のバランスが乱れていると、睡眠に悪影響を及ぼします。
その場合、睡眠薬だけではぐっすり眠れません。
自律神経が乱れれば乱れるほど、睡眠の質は悪くなります。
そこで、自律神経のバランスを整えましょう。
自律神経失調症の治療を併用することは、不眠症治療の秘訣なのです。

当院は自律神経のバランスを整えて、快適な眠りに誘います。大丈夫、眠れますよ。

電話
0166-33-8600 (平日9:30~12:30)

あおぞらクリニック

旭川市東光9条6丁目1−13

東光9条5丁目バス停目の前
東光眼科となり
駐車場完備
【東神楽・東川・美瑛・深川からのアクセス良好】

薬を飲まないで眠ること、飲んで眠ること

もちろん、最終的な目標は薬を飲まずに眠れるようになることです。しかし、たとえ薬を使ってでも、ぐっすりと眠れることは重要です。ぐっすり眠れただけであっという間に治ってしまう人がいます。全体の2割くらいの方は、薬を飲むだけで短期間のうちに治ります。
そうすると、世にはびこる薬に頼らず不眠症を解決すべきという情報は、罪深いのではないかと思うのです。
私のクリニックでは薬を極力使いません。例えばうつ病に対して、抗うつ薬を処方することはありません(他院からの紹介患者さんで既に飲んでいる方は例外です)。
継続的に診ている患者さんに、新しい症状が出た時にも、薬を出すことよりも先に、服用中の薬のせいではないのか、減らした方がいいのではないかと常に考えます。
薬を使うことに私は、とても慎重なのです。それでも不眠症に対して睡眠薬を割と積極的に使うのは、先ほどの理由。不眠症の初診患者さんたちの2割は、ぐっすり眠れればそれだけで、数日のうちにあっという間に治ってしまうからです。

睡眠薬を使わないデメリット

つまり、睡眠薬は悪い。睡眠薬を使うことは悪いことだとして、睡眠薬を使わないことにこだわることは、あっという間に治るはずの2割の方をダメにします。あっという間に治る人々の不眠症を長引かせるのです。
不眠症を治すためには、長引かせないことも大事です。もちろん、この場合の治すというのは、薬を飲まずに眠れるようにするということですが、最終目標の前に、睡眠薬以外の薬だけで眠れるようになるという段階もあることを知っていただきたいと思います。

薬は使うべき?使わないべき?

不眠症に薬は使うべきかと問われたら、私は迷わず使うべきと答えます。不眠症に使う薬はなにも睡眠薬だけではありません。そのことをこの先おいおい理解していただければと思います。
そしてそのためには、私がどのように不眠症を治療しているか、そのことをお話ししておかなければなりません。

自律神経の乱れに注目

私の居る旭川市のあおぞらクリニックは、地元では不眠症の治療に強いクリニックとして認められています。特徴は不眠症の治療をする際に自律神経のバランスにも注意を払っているということです。具体的には不眠症の方が自律神経失調症を合併している場合、それを放置しないということです。

副交感神経を優位にすれば眠れるという訳ではない

不眠症の治療について書かれている他のサイトを見てみましたが、いくつかのサイトには副交感神経を優位にすることが、不眠症の解決に役に立つ。副交感神経を優位にするためには、このようにするとよい。そのように書かれていました。
自律神経に注目したのはよいと思います。でも、副交感神経を優位にすればそれでオッケーではないのです。
私が日ごろ行っている治療とは、そこが大いに違っています。

副交感神経が働きすぎても眠れない

実は、交感神経が働きすぎても、副交感神経が働きすぎても、どちらも違うタイプの不眠症につながってしまいます。
副交感神経を活性化すればいいんじゃないの?副交感神経が働けばいいんじゃないの?だから副交感神経を刺激するんじゃないの?そう思った方はいませんか?
でも、そうじゃないんです。
副交感神経が働きすぎていると、日中は眠くてぼうとして、かといって眠れず、夜は夜で眠りが浅い。そのような方はいらっしゃいませんか?そんな方は、副交感神経が優位なタイプの不眠症かもしれません。
副交感神経が優位になるのは、タイミングが大事なのです。適切なタイミングで副交感神経が働かないことには、不眠症になってしまいますし、悪化してしまいます。
ここから先は、交感神経と副交感神経についても少し解説しておかなければなりません。
自律神経のことをもっともっと知ってほしいですし、自律神経に注目すると、健康ばかりではなく人生そのものがよくなると、個人的には思っています。

自律神経ってなに?どんなものなの?

自律神経というのは全身の臓器や組織に入り込んでいて、本来は体の調子を整えるための神経系統です。さらに踏み込んで言うと、生命を維持するために働いてくれてい神経系統です。その中枢は脳の視床下部にあります。
全身に張り巡らされているために、自律神経が乱れると全身に同時に様々な不調が現れます。自律神経のバランスが悪くなって、乱れて、あちこちにいろいろな症状が出ている状態を自律神経失調症と判断して、当院でも治療をしています。
自律神経系にはふたつの系統があって、交感神経と副交感神経とそれぞれ呼ばれています。交感神経と副交感神経はどちらかが働けば働くほど、もう一方は働かなくなるという関係性があって、どちらも同時に働いているとかいうことはありませんし、生きている限りはどちらも同時に働いていないなどとということもありません。
交感神経と副交感神経の状態は、バランスがいいか、交感神経が働きすぎ(優位)か、副交感神経が働きすぎか、このみっつのどれかになります。
さらに、一日をとおしてなのか、ある特定の時間帯だけバランスがよかったり悪かったりするのか、という細かい点にまで気を配る必要があります。

自律神経のバランスは整っていなければならない

副交感神経を刺激(活性化)すれば眠れると誤解している方々がいます。そうではなく、自律神経はバランスが整っていなければならないのです。自律神経のバランスが悪いと、不眠症は悪化します。
詳しく言えば、一日のほとんどは自律神経のバランスがよくて、適切な時間帯に副交感神経が働いてくることが、ぐっすり眠るためには必要なのです。日中の変な時間帯に副交感神経が働きすぎていると、不眠症は悪化します。
一日を通して副交感神経が働きすぎている人に、さらに副交感神経を活性化させるようなことをしても無意味か、あるいはさらに悪化するのです。
巷にあふれる副交感神経を活性化させればよく眠れるという情報は、片手落ちどころか誤りです。
このサイトは、そのようなこれまでの間違った情報に立ち向かうものでもあります。

不眠症を解決するには

ここまで書いたことをここでいちどまとめます。

  • 不眠症には薬を使うべき
  • 本来自律神経はみんなの味方
  • 助けてもらうために自律神経についてもっと知ろう
  • 自律神経のバランスが乱れると不眠症は悪化する
  • 副交感神経を刺激すれば眠れるというのは間違い

すべて既に知っていたのなら、たなたは睡眠博士。この続きを読む必要はないかもしれません。

不眠症は長引かせてはいけません。そのためには薬を使うべき。自律神経失調症も合併している場合は、自律神経失調症の治療も同時に行います。そしてぐっすり眠れる状態を実現します。
正直、不眠症も自律神経失調症も薬を使わずに治す方法はありますが、時間がかかりすぎるのです。不眠症を長引かせているうちに、うつ病などの別な厄介な病を招き入れてしまうリスクがあるため、薬を使わないことにこだわるのはお勧めしません。
あと、自律神経系以外にも注目すべきことがありますので、そのあたりも少しお話しましょうか。

必須アミノ酸トリプトファン

トリプトファンを、穀類以外から積極的に摂りましょう

(注:穀類を摂ってはならないとは言っていません)

ヒトが体内では十分な量を作り出せないアミノ酸を、必須アミノ酸と言います。
必須アミノ酸は、食べ物から摂るしかありません。
トリプトファンが不足すると不眠症は悪化します。不眠症の方は、食べ物にも気をつける必要があるのです。
トリプトファンは穀類に豊富に含まれますが、穀類には糖質が豊富。糖質が多いと、交感神経が働いてしまうので、不眠症は悪化します。
そのため、トリプトファンを穀類以外から積極的に摂ることを推奨します。穀類を摂らないようにと言っているわけではありませんので、誤解のないように。糖質を摂りすぎないようにしないと、眠れなくなるということです。何事も、程度が問題ですね。
そもそも日本人に限らず、人類は糖質を摂りすぎだと思います。
トリプトファンが含まれる食品として、参考にしていただきたいのは、豆腐や納豆などの大豆製品。卵やチーズ。そしてピーナッツなどのナッツ類です。

ホタテの貝柱からはトリプトファンは摂れない

トリプトファンの働き

トリプトファンは、メラトニンとセロトニンの素になることが知られています。セロトニンはうつ病との関連でよく知られるところですが、メラトニンの方は睡眠を誘発する物質です。
トリプトファンが欠乏すると不眠症は悪化するでしょうし、トリプトファンを十分に摂ることは、不眠症の治療をサポートするでしょう。

体内時計

昔、ある患者さんに体内時計の話をしたら、胡散臭がられました。体内に時計なんてある訳がない!なに言ってるんだ?と。
この患者さんはもしかすると、掛け時計や置時計や腕時計みたいなのが、体の中にあるようなイメージを持って否定したのかもしれませんが、れっきとした科学的事実として、体内時計なるものは存在します。2017年には体内時計に関わる研究によって3人の米国科学者がノーベル賞を受賞しています。
睡眠の導入に関わるメラトニンバーストという脳内イベントがあるのですが、そのイベントの発生時間は体内時計で決まります。具体的には朝日を浴びてから、15時間後にメラトニンバーストは起きます。
体内時計は自律神経が乱れるとつられて乱されますし、体内時計が狂うと、自律神経が乱れてしまうという、表裏一体密接な関係性にあります。自律神経失調症も程度によりますが、ひどくなると体内時計を乱し、メラトニンバーストの効果を不完全なものにしてしまいます。

  • メラトニンは睡眠誘発物質/トリプトファンはメラトニンの素
  • 糖質は摂り過ぎの人が多くて自律神経を乱す→不眠症を悪化させる
  • 穀類(糖質豊富)以外からトリプトファンを摂ることを推奨
  • 体内時計も大事

日光の働き

太陽の光を浴びることは、体内時計を整えるためにも、メラトニンを生成するためにも必要なことです。
まず、体内時計と日光の関係について。朝日を浴びることで前述のメラトニンバーストに関与する体内時計がリセットされるので、不眠症の解決のためには朝日を浴びることがとても重要だと言えます。
そして、メラトニンの生成自体、日光を浴びることを必要とします。

つづく

このあと、男女で差がある部分について取り上げようか、どうしようか思案しているところです。いましばらくお待ちください。

そして、

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